大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪地方裁判所 平成5年(ケ)258号 決定

債権者は、別紙物件目録記載一の土地について別紙担保権目録記載の担保権に基づく不動産競売を、同物件目録記載二の建物については民法三八九条に基づく一括競売を申し立てるが、提出された資料によれば、上記担保権を上記一の土地に設定した当時、同土地上には登記済建物が存在し、債権者は同建物と上記一の土地に上記担保権を設定したところ(共同根抵当)、同建物が平成三年一月一五日に取り壊され(同年五月一三日登記簿閉鎖)、その後、上記二の建物が再築されたことが認められる。

以上によれば、一の土地には、上記登記済建物のために法定地上権が成立する場合におけると同一の範囲内において法定地上権が成立する(大判昭和一〇年八月一〇日民集一四巻一五四九頁)のであって、二の建物については民法三八九条の一括競売申立ての要件を欠くものといわなければならないので、次のとおり決定する。

主文

一、債権者の申立てにより、上記請求債権の弁済にあてるため、別紙担保権目録記載の根抵当権に基づき、別紙物件目録記載一の土地について、担保権の実行としての競売手続きを開始し、債権者のためにこれを差し押さえる。

二、その余の債権者の申立てを却下する。

当事者目録

債権者 兵銀リース株式会社

代表者代表取締役 横部愛士

債権者代理人弁護士 西垣剛

同上 八重澤總治

同上 針原祥次

債務者 株式会社ゆう

代表者代表取締役 硯信二

所有者 日高和夫

所有者 谷口晴彦

所有者 白土洋治郎

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例